エレノア・
メルヴァリア
Ellenor Melvaria
人物
内気で引っ込み思案な獣人種の少女。
狼のような身体的特徴を有しており、小柄な外見に反して圧倒的な怪力を持つ。
故郷の街が悪魔に襲われ壊滅的な被害を受けたことで、悪魔を一匹残らず滅ぼしたいと強く望むようになった。敵から魔力を奪い取る槌型の魔法道具を手に、半ば無謀とも言える勇気で魔物に立ち向かう。
魔源石は黄色、雷の魔法の力を持つ。
境遇
プルンブム地方の山岳地帯にある獣人の村ウルヴダールの出身。家族と暮らしていた頃は「エレノア・スヴェンスドッティル(スヴェンの娘)」と呼ばれていた。
幼い頃に起こった災害で両親を亡くし、弟と妹を連れて村にあるメルヴァリア修道院に入ることとなる。修道院での共同生活は苦しいことも多かったが、何人かの友達と弟妹の存在に助けられながら日々を過ごしていた。
しかし、ようやく生活に慣れてきた頃に再び災厄が村を襲う。光る眼と黒いツノを持った怪物たちが闇夜に現れ、平和だった村は一夜にして壊滅した。
その怪物が歴史書に出てくる「悪魔」だと分かりつつも為す術なく、生き残った修道院の人々と共に命からがら逃げ延びたエレノアの心には悪魔への恐怖と憎しみが深く刻まれることとなった。
悪魔に立ち向かう力が欲しいと願ったエレノアは、ある日誰も居なくなった教会の地下で不思議な魔法道具を発見する。敵から奪った魔力を攻撃力に変える武器を得た彼女は、弟と妹を都市部の学校の寮に預け、先の戦で悪魔を滅ぼした秘宝があるというスタンヌム地方へ単身旅立つことを決めたのだった。
内面
気弱だが思いやり深い性格。かなり人見知りするものの、大切な人のためなら苦手なことでも頑張れる。
食べるのが遅いことや手先が不器用なことで世話役の修道女から頻繁に叱られていたことが原因で、何をするにも自信が持てずつい叱責を恐れてしまう。唯一得意だと思えるのは裁縫で、家族や友達のために不器用ながらも服を繕ったり人形を作っていたことから少し自信がついた。
【狂戦士】
悪魔への復讐という目的のために武器を振るうようになってから、魔物を目の前にすると箍が外れたように凶暴になる性質が発現した。自己防衛の反応が過剰に表れたものと考えられ、普段の気弱な人格では十分に活かせない怪力を最大限に引き出すことができる。
戦いには強くなる一方、周囲を気遣う繊細さや冷静な判断力は失われてしまい、その様子を見た人々からはしばしば狂戦士と称される。
二重人格のように見えるが、恐ろしい存在に直面せざるを得ない状況で自分の心を守るための反応であり、恐怖と不安を内に抱えている本質の部分は変わっていない。
容姿
細く柔らかいベージュの髪、茶色の眼を持つ。髪はいつも三つ編みにして結っている。顔立ちはまだ幼く、実際の年齢よりも下に見られることが多い。
衣服のところどころに北方の伝統である刺繍が施されており、他の地方の人間にとってはどこか異国的な雰囲気を感じさせる出立ちである。
耳、尻尾、脚には獣人としての特徴が表れており、毛皮のない他の種族に比べて寒さに強い。
口調
「ご、ごめんなさい……。遠い北から旅してきたばかりで、何も知らなくて」
「初めて会う人と話すのは、やっぱりちょっと苦手かも……」
「……魔物は、一匹残らずあたしが始末する。邪魔しないで」
関係性